後半のアディショナルタイム/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 画像は先日ツイッターに書いたことです。これにあるように、先日サッカー部の生徒とやりとりをしました。

 

僕:5点ビハインドで後半のアディショナルタイムに突入したとしたら、逆転できると思う?

生:無理ですね。

僕:普通に考えたら難しいよな。1点取ったら勢いづいて2点目まではいけるかもしれないが、さすがに5点ビハインドの状態では、逆転どころか追い付くこともかなり難しい。

生:そうですね。

僕:これさ、サッカーの例だとわかりやすいけれど、勉強で考えるとその無理なことを実現できると本気で信じている子がいるんだよね。子だけじゃないか、大人にもいる。

生:どういうことですか?

僕:3年の夏休みに部活を引退してから勉強を始めれば、遥か先行く子達に追い付けると思っているという意味で。いやいや、そんな簡単に行く訳ないだろう、と。

生:成程。

僕:簡単に追い付けるはずもないし、先行する子達は更に加速していく訳よ。そんなことも知らずに、本気出せば何とかなるなんて思い込んでいることがおかしい。だいたいね、本気出すって言っても、これまでそういう勉強をしてきた経験がない子がいきなりやれると思う?そういうことなんだよな。

 

 これはサッカーを喩えとしていますが、スポーツでは実現不可能であると誰の目にも明らかなことを、勉強では実現できると信じて疑わない子が一定数います(大人にもいますね)。死に物狂いにやれば何とかなる、といったことを平気で言うんですね。しかし、よく考えてみると、スポーツの試合では互いに真剣勝負をしても場合によって点数差が開いてしまうのであって、一方が手を抜いているから点数差が開く訳ではないのです。勉強だとどうでしょう。先行く子達は普段から手を抜かずにやるべきことを真剣にやり、その結果としての成果を収めています。かたや、普段から手を抜き、受験の半年前から真剣に勉強すれば何とかなると信じて疑わない子達は、点数だけではなく、点数には表れない差にも全く気付いてすらいないのです。一言で表すならば、「見込みが甘過ぎる」ということになりますね。

 

 中学3年生の夏以降は、言わばサッカーの後半のアディショナルタイムに近いものだと思います。ここで猛攻を仕掛けたとしても、守る側は守る側で守備を固め、守り抜くためのカードを切ってきます。堅固な守備網を掻い潜り、追い付くためのゴールを決め続けるのは容易なことではありません。又、猛攻を仕掛けるにも、攻め続けるための体力が欠けていれば、かえってカウンターを受けて更に点差は開いてしまうことでしょう。

 

 勉強をするにも気力や体力は必要です。こういった基礎的な部分を短期間で獲得し、成績が急上昇するなどというのはほとんど幻想に近いと言えるでしょうか。急上昇可能なのは、それまで結果が出なくても走り続けてきた場合に限ると思います。

 

 中学3年生の私立受験校決定が目前に迫ってきていますが、非受験学年である1年生、2年生は他人事だと思うことなく、1年後2年後の自分の姿を想像してみて欲しいと思います。今やろうとしないことは1年後にもやれないし、2年後にもやれないということを。やろうとしないことが、ある日突然できるようにはならないことを。後半のアディショナルタイムでの逆転劇は、確率的に言えば限りなく低いということです。