ウサギとカメ/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 ウサギとカメの話はとても有名なので、わざわざここに概要を記す必要はないかと思います。が、これ程までに有名な話なのに、はたして教訓として生かされているでしょうか?特に受験でそれを強く感じます。

 

 理屈の上では、カメのように歩みそのものはゆっくりであっても、受験を意識した勉強を開始する時期が早ければ早い程、逃げ切ることができる可能性は高まると思っています。受験を意識した、という表現が良くないかもしれませんね。ずっと一定のペースで勉強し続けることができていれば、それに越したことはありません。ただ、一定のペースで勉強し続けることができる中学生の割合は高いとは言えないでしょうから、今回はあえてそういう表現をしています。春先からゴールデンウィークが終わる頃までは、その意味では例年最も気が緩む時期だと言えるでしょうか。期末試験が終わり、次の定期試験までに時間がありますからね。公立入試が終わっても、翌年度受験する子達にとっては「次は自分達の番だ」という実感を持ちにくいというのもあるでしょう。みんな頭ではわかっているんでしょうけどね、なかなか行動に移すことができない子が多い印象です。だからこそ、この時期に受験を意識して勉強を始めることができれば、その時点での成績が悪くとも、追いつき追い越せが可能だとも言えますか。

 

 勉強が苦手な子程、たとえペースはカメのようにゆっくりであっても、早めに動き出した方が結果的に自分を楽にするのですが、「ゴールデンウィークが終わったら」「夏休みになったら」「部活を引退したら」と先送りにして、気付いた時には差を縮めるどころか引き離されるという現象に遭遇します。基礎力があるウサギ達は、いざという時になれば一気に加速していきますからね。そうなったら、もう追いつくことは極めて困難でしょう。受験は自分の成績が良くなるだけではいけないんですね、周囲との差が大事ですから。周囲が自分以上に成績を良くしていけば、相対的に自分の成績は悪化することになるのです。だから、ある時期になったら勉強を始めるなんて考えずに、さっさと始めてしまえばいい。今できないことがある時期になったらできるようになるなんていうのは、自分自身への淡い期待でしかないんですから。夏休みを境に勉強を本格化させるのは、言ってみれば受験生としては「当然のこと」であって、それ以前の時期に如何に早く始められるかがカギ。

 

 特に今年の場合、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために異例の休校措置がとられ、しかも夏休みのように部活がある訳でもなく、時間は自分次第でどうにでも使うことができますから、それを上手く利用すれば復習や予習に十分な時間を使うことができるはずです。本来であれば早めに動き出すべき勉強が苦手な子がこの時期にこそやらなければ、学校の授業もないので、今まで勉強したことをすっかりと忘れてしまいます。そうなんです、勉強しなくても現状維持できるなどというのは楽観で、人間は忘れる生き物なんですからどんどんと抜けて行ってしまいます。休校から3週間が経過した現在、この期間を上手く利用して少しずつ勉強している子との差は自然と拡大しているでしょう。簡単に言ってしまえば自滅ですね。自滅なんですよ、その自覚はないでしょうが。

 

 来年受験する子達は、ウサギとカメの話の教訓を自分自身に当てはめて考えてもらいたいと思います。そして、自分をウサギだと捉えずに、カメだと思って早くスタートを切り、一定のペースを維持しながら来年の入試まで歩みを止めずに突き進んで欲しいと願っています。とにかく1日でも早く気付いてスタートを切ることが、来年の今頃笑って過ごせるかどうかを決める要因だと理解しましょう。ウサギとカメの話は、決して他人事ではないですからね、そのことを忘れることなく。