「試験時間が足りない」は本当か?/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 定期試験が近づいてきました。そういう時期だからこそ、あえて書いておきたいことを書いていきます。

 

 定期試験が終わる度に、「試験時間が足りなかった」「問題量が多かった」という声が聞こえてきます。実際に問題を見せてもらうと、確かにパッと見でも問題量が多いなと感じることはありますから、それもそうだなと思ってしまいそうです。でも、問題をよく見てみると、問題数は多いものの難易度としては平易であったり標準的な問題が大半で、難易度の高い問題は極僅かであることの方が多いのです。つまり、時間をかけなくても解けるであろう、あるいは解いて欲しいという種類の問題が多いのであって、決して難易度の高い問題ばかりを高速で解かせようなどという意図はないのです。そうすると、「試験時間が足りなかった」は本当にそうなのか?という疑問が生じます。

 

 結論から先に書いてしまうと、「試験時間が足りない」のではなくて、「試験準備の時間が足りない」のだと思います。要するに、勉強時間が足りないということ。絶対的な勉強量が足りないとも言えます。「試験時間が足りなかった」「問題量が多かった」という言葉の裏には、自身の勉強時間の少なさをカモフラージュするための言い訳が含まれているのではないでしょうか。

 

 これらの言葉を毎回のように使う子の印象として、難易度が低く正答率が高い問題であっても正解できないことが非常に多い気がします。基礎を疎かにするため、正解が期待される平易な問題で正解できない。又、普段から時間を意識した勉強をしていないため、速く解いていかなければならないところでもたつく。

 

 そもそも、基礎力が乏しい子の場合、全ての問題に取り組む必要性などなく、確実に得点が見込める問題をどう落とさずに得点するかが重要だと思います。答案用紙に答えを埋めなければ点数には結び付かないとはいえ、埋めさえすれば良いという話でもありません。極端な話、たとえ答案用紙の半分が真っ白であっても、解いた問題が全て正解していれば半分近くの得点にはなるので、難易度の低い問題に試験時間の全てを使っても構わないとさえ思います。「試験時間が足りなかった」というのは全ての問題を解き切ろうとするからであって、できそうな問題だけに時間を使うという気持ちの割り切りも必要なのではないでしょうか。

 

 最後に、以前所属していた団体の先輩に言われた言葉が今もとても印象に残っているので紹介しようと思います。「当日1割、準備9割」、これは試験を指しての言葉ではないですが、試験に向けた勉強にもそのまま当てはまることだと思っています。当日の体調などによって本来の力を出し切れないこともあるでしょうが、多くの場合で準備が不足しているのです。それはすなわち、定期試験を受ける前の段階で既に結果はほぼ決まっているということ。準備にし過ぎはないので、定期試験まで入念な準備をしていきましょう。