自己中心的強制教育/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 僕は子を持つ親として、もちろん子供に期待していることはありますが、そういった期待よりも大事なのは子供が元気であることだと思います。これは親であればみなさんそう思っていることですよね。思い出してみてください、子供が生まれた時のことを。すくすくと元気に育って行って欲しい、これ以外に望んだことがありますか?それがどうでしょう、何年かするとその時の思いをすっかり忘れてしまって、子供を自己の所有物かのように、そう、文字通り「物」かのように、親が望む理想の姿にすることを第一目的として育てようとしてはいないでしょうか?このことはもちろん、僕自身への、いや僕達夫婦への自戒も込めています。

 

 親は子供を育て、将来的には自立させなければなりません。その過程では、「読み書きそろばん」や「基礎的リテラシー」に代表される、生きていく上で不可欠な知識を獲得させる必要があります。子供を路頭に迷わせないためには、確かにこの次元はできるようにさせないといけないでしょう。極端に漢字の読み書きができなければ、日本社会の成員として生きていくことは困難になるでしょうし、語彙力がなさ過ぎれば、文章の読解のみならず会話すら成り立ちません。ですから、義務教育課程の、もっと言えば小学校修了程度の知識は、何としてでも身に付けさせないといけないでしょう。このことは以前のブログの中でも記していますが、逆に言えばそれ以上の部分については個々人の興味関心、あるいは進む方向性に従って獲得していけば良いのだろうと。ただし、ここの認識と言うか捉え方がとても難しく、このことが結果的に親と子の間で摩擦を生じさせる原因にもなるんだろうと思います。

 

 小学校を卒業して中学校に入る頃には、勉強が得意な子と苦手な子の学力の差、勉強に対する認識の差は相当です。この両者が置かれている状況は異なりますが、しかし似通っていることもまたあるように感じています。それは、「勉強を強制させられているのではないか?」という点。

 

 勉強が得意な子の中には、本当に好きで勉強している子もいるでしょう。そういった子はどんどん好きなようにやれば良いと思います。睡眠時間を削り過ぎる等ではない限り、止める理由がないのでね。ただ、勉強が得意とはいっても、特に好きでやっている訳ではなく、やらないといけないから仕方なくやっているという子の割合が多いと思うんですが、そういう子の場合、親から「もっと上を目指しなさい」というプレッシャーをかけられ、本人のキャパシティ以上のことを望まれていることも少なからずあるように思うんですね。それは親ばかりではなく、場合によって通っている塾もそうかもしれません。合格実績のため、キャパオーバーのことを求めている塾あるんじゃないですか?

 

 逆に、勉強が苦手な子の場合、これまでずっと現実から逃げ続けてきているので、いくら高校受験を意識しないといけないとわかっていても、どこかで逃げ切れるという思いを持っている傾向があります。無理してやらなくても何とかなる、と。実際には何とかならないので、ここで「せめて高校までは行って欲しい」という親心とぶつかることになる。高校進学率が限りなく100%に近い現状においては、現実的に考えてみても、中卒はあらゆる部分で不利なのもわかります。が、義務教育ではないので、入ってさえしまえばそこで終わりではない。だからこそ、勉強をやりたくない子とやらせたい親の感情がぶつかり合うことになる。高校に入ったまでは良くても、卒業までたどり着くことができないことも起こり得ますからね。しかも、概して勉強嫌いな子というのは、やり始めるのがかなり遅く、尚且つかなりのダメージを負っているケースが多いんです。そういうこともまた、焦る親と簡単には変われない子との間で激しくぶつかり合う原因になる。

 

 聞き慣れた「子供のため」、この言葉はある意味でとても便利であり、カモフラージュとしても極めて有効であると思います。親が望む子供の理想の姿、それを実現するために子供を型にはめ、親の思い通りにしようとするのを「子供のため」などと言ってカモフラージュできますからね。

 

 最初に書いたように、親は子にすくすく育って欲しいと願っていたはずで、自己の理想実現のために利用しようなどとは子が生まれたすぐの頃には思いもしなかったでしょう。それが段々と自己中心的な感情が芽生え、子の適性を一緒に探すこともなく、子に勉強を無理強いしていることが多々あるように思います。このような教育を受けてきた子の感情はどうなるのでしょう?本当はやりたくもないことを無理強いされ、苦しんでいるのに、必死で隠そうとしているかもしれません。苦しい胸の内を吐露することもできず、悩み続けているかもしれません。

 

 親の自己中心的な強制教育で悩み苦しむ子が現実にいる。これをどうしても書きたかったので、今回のブログの形になりました。これは子を持つ親として、僕自身にも当てはまることだと思います。気を付けねばなりませんね。