確率論(2)/RS野中/勉強が苦手な子のための学習塾/岐阜・岐南・笠松・ 各務原

 今回の確率に関する話は部活について。

 

 最初に断っておくと、部活は大いにやれば良いと思っています。やった方がいいよ。特に運動部。やり過ぎで体を壊してはいけないけれど、体を鍛えることは悪くないし、どんどんやればいい。

 

 と、ここまでは別に何ら確率の話は入っていません。本題はこれからです。

 

 過去も含めてスポーツで高校に行く、行ったという生徒が何人かいます。スポーツで高校に行くというのは、高校側から勧誘されてという意味であって、本人が勝手にそう思っているということではありません。簡単に言うとスカウトされたということ。これ、簡単に書いてしまっていますが、確率的には相当に低いものです。メジャースポーツになればなる程、それだけライバルは多いということなので、スカウトされる確率も低くなる。団体競技の場合には、いくら個人としては有能であっても、チームとしての成績も加味される可能性があるので、尚のこと確率的には低くなる。だから、スカウトされること自体、スポーツエリートということができます。

 

 では、いざ高校にスポーツで入ったとしましょう。高校に通う目的が部活とほぼイコールになります。それを期待されて入っている以上はやむを得ません。しかし、もし競技を続けられないような大ケガをしてしまったらどうなるでしょう?人間誰しもケガをする可能性は持っています。確率はゼロではない。部活をやれなくなってしまったら、その高校に通う意味とは何でしょうか?高校に通う意味そのものを見失いかねない。全てとは言わないまでも、スポーツで高校に入る場合、学業面での成績は甘めに見られる傾向にあります。すなわち、本来その高校が求める学力の基準に満たなくても、スポーツという武器でもって入ることができるということ。そうであるならば、大ケガをして部活を奪われてしまった生徒にとって、学業面で同級生達と対等であることそのものが入学の段階で難しい確率が高いとも言えるのです。

 

 そういう理由もあって、僕はスポーツで高校に行くという生徒であっても、必要最低限のことは中学時代に勉強しておいた方が良いよと言ってきました。もちろん、過剰には求めません。ケガしないように、それがまず第一。その次が勉強。それは高校に入るためではなく、高校を無事に卒業するために。先程も書いたように、誰しもケガをする可能性がありますから、せっかく入った高校をケガを理由に行く意味を見失って中退するのはあまりにも惜しいことです。もしケガをして競技を続けられなくなっても、今までに持ち得なかった知識を、価値観を得て、視野を広げれば良いではないですか。そう思っていますので、中学時代に必要最低限の勉強をする意味はあるでしょう。

 

 今度は逆に、スポーツで高校に行かない生徒の話です。スポーツでスカウトされる確率がほぼゼロの場合、当然のことながら高校進学への唯一の手段は学力試験を突破することです。ということは、自らが望む進路を実現するには、否が応でも勉強するしかない。勉強することでしか望む進路を実現する確率を上げることができないからです。しかし、不思議なことに、部活を言い訳にして勉強しないというケースが非常に多く見られます。もう1度書きましょうか。スポーツでスカウトされる確率がほぼゼロの場合、当然のことながら高校進学への唯一の手段は学力試験を突破することです。このことを忘れてしまっていませんか?どこどこの高校へ行きたいと言っているのは誰ですか?自分自身ではないのですか?

 

 昨日のブログではないですが、僕自身は生徒がどこの高校を目指そうとそれを支援するのが役目だと思っていますし、それについては当ホームページでも明確にしています。特定の高校に生徒を行かせたいといったことに興味がありませんから。極端な話、中学卒業後すぐに高校へは進学しないという選択をする生徒がいたとしても、それはそれで尊重します。それは個々の生き方なので。ただし、自分の中で明確に希望する進路があるのに、それを部活で疲れたとか、部活の練習が長かったからという理由でもって言い訳しているならば、では部活をやる意味とは何なのですか?と問いたい。部活をすることで得られる効用が、自身が希望する進路実現に欠くべからざる要素となり得るのですか?部活をすることで、自身が希望する進路実現の確率が上がるのですか?

 

 RS野中には様々な個性の生徒が在籍しています。学力も様々ですから、大手のように特定の高校ばかりを望む生徒ではありません。本当に多種多様です。共通しているのは、元はみんな勉強が嫌いだったということ。わかっています。でも、みんな高校には行きたいと思っているのでしょう?何のために高校に行くんですか?スポーツでスカウトされたからその高校へ行くという子は、筋が通っていると思いますよ。目的がはっきりしているから。逆に、普段部活部活と言いながら、スカウトされる可能性がほぼゼロの子は、部活最優先にして勉強サボって本当にいいのかな?言い訳していて自身が望む進路を実現できるのかな?実現する確率が上がるのかな?

 

 そういったことも生徒達には考えて欲しいと思います。ちなみに、結果の如何を問わず、部活に一生懸命な子は、勉強も同じように一生懸命である、と僕は思っていますよ。勝負に負けるの嫌だもんね、自分自身の弱さに負けるのが嫌だもんね。こう僕が思うのも確率の話であって、部活は一生懸命にやれるが勉強はやれないという子もいるかもしれません。あくまでも確率の話です。